光井純 Profile
光井純アンドアソシエーツ建築設計事務所を率いる建築家。国内外の多岐にわたるプロジェクトを手がけ、その建築は「街と建築のデザインを通して社会に貢献する」という理念に基づいている。
主な実績として「ブランズシティあざみ野」では、女子短期大学跡地の記憶を継承し、「アカデミックレジデンス」と「植物園」というコンセプトのもと、知的好奇心を刺激する新たな住環境の創造を手がけた。
ジェイアール東日本都市開発と東急不動産は、建築家 光井純氏とともに、『(仮称)JR船橋市場町社宅跡地開発計画』において、このまち全体をデザインしています。
光井純氏がこれまで手がけた建築で掲げてきた「街と建築のデザインを通して社会に貢献する」という理念は、本プロジェクトのものづくりにも深く息づいています。
次世代に向けた活き活きとしたまちづくりを目指し、私たち開発チームと光井純氏がどのような想いを込めたのかを、今回ご紹介させていただきます。
本プロジェクトのデザインコンセプトは
「BRIDGE PARK」。
川沿いのまち船橋が紡いできた歴史をルーツとしています。
「BRIDGE PARK」というコンセプトには、まるで港のように人々が活発に行き交い、心豊かな交流が生まれる場所を創造したい、という私たちの深い想いが込められています。
船橋という地名は、古くは海老川に橋を架けるのが困難であったため、小さな舟を連ねて橋の代わりとした「船橋(ふなばし)」に由来するとされています。この歴史的背景から得たインスピレーションのもと、船をモチーフとした広場空間を創出し、ランドスケープデザイン全体で、人々の活気と交流が息づく「港」のような場所を目指しています。
さらに、「商都」「行楽地」「交易地」として栄え、「舟や鉄道でたくさんの人や物が交差した街」であったという船橋。この街が持つ生来の活気もまた、外構部を彩る「BRIDGE PARK」というテーマにもつながっているのです。
巧みな配棟計画
この場所ならではの配棟計画として、海老川沿いの誰もが使える、開放的な空間を擁する街区と、建物に抱かれたプライベート性の高い街区を、巧みに配置しました。 川沿いの伸びやかな空間から、緑豊かなゾーンへと移り変わる心地よい風景の変化は、東西への行き来のたびに異なる風景を味わえるようデザインされています。
さらに敷地内は地域住民の方々も東面の通り抜けが可能となっており、これらは単なる通路ではなく、地域住民や多世代の方々が自然とつながり、交流を育む「架け橋」となるコミュニティの場にもなります。公園のように多様な居場所を提供し、誰もが自分らしく過ごせる豊かな環境を創造したいと考えています。
このまちの各エリアに息づく、深いこだわり。
海老川沿いのエリアに描く、開放的な風景。
海老川沿いに広がるエリアは、船の形状をモチーフに、多様な滞留スペースと広場空間を創出します。イベント利用が可能な広場、子供たちで賑わう広場、開放的な芝生広場、そして季節の移ろいを愛でるお花見広場など。これらの広場は、回遊性のある動線で緩やかにつながり、地域の方々が自由に、そして心ゆくまで楽しめ、誰もが使える空間として計画されています。
まちの中心に広がる、安らぎの中庭空間。
住宅棟に囲まれたプライベートな中庭空間は、敷地東側へ進むにつれて、より静かで落ち着いた雰囲気に包まれるよう設計されています。
ここには、子どもたちがのびのびと過ごせる芝生スペース、住民のためのお花見スペース、テラスや休憩スペース、そして木立を感じさせるスペースなどを配置し、多様な居場所を緑豊かな空間の中に創出します。
「憩いのみどり」「輪郭のみどり」
―2つのゾーニングが織りなす、豊かな植栽計画。
海老川沿いのエリアには、そよ風を感じられるソヨゴやシダレザクラを配置し、心地よい潤いを演出。中庭空間には、「つどい」や「学び」を育むヤマザクラやヒメシャラ、クヌギやコナラ、心地よい木陰を感じるケヤキやシラカシなど、多様な表情を持つ樹木を配し、豊かな緑の環境を創出します。
また、ジンダイアケボノによる桜並木や、ハクモクレン、サルスベリといった季節感のある花木を配置し、四季折々の色彩豊かな移ろいを、心ゆくまでお楽しみいただけるよう、細やかな配慮を凝らしています。
このプロジェクトが、船橋の未来に贈る「意義」と「願い」。
『(仮称)JR船橋市場町社宅跡地開発計画』は、「持続可能な環境づくり」を指針としたプロジェクトでもあります。私たちは、この場所が単なる「住まい」に留まらず、多様な人々が活き活きと交流し、それぞれの人生を豊かに育める「公園のように多種多様な居場所」を提供出来たらよいと思います。
子どもたちが安心して遊び、見守られる環境を創出するのはもちろんのこと、豊かな緑に抱かれた住まいを創造することで、日々の暮らしに潤いと安らぎをもたらしたい。
このプロジェクトが、船橋の新たなシンボルとして、そして地域の方々や訪れる人々にとって、活気と潤いに満ちた豊かな暮らしの中心となることを、開発チーム一同、心より願っています。
Information
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