逗子インターから車で約10分、小坪は、鎌倉時代の昔から隠れ里としての伝説を残す、緑に恵まれた場所です。中でもこの小高い丘は、眼下に逗子の海を望み、海辺のにぎわいから程よく距離を置いた静かな環境も備わっていました。ここでなら、一日のすべての時間、すべての場面において、海を身近に感じる暮らしが実現できる。私たちはそう考えました。
通常、海沿いに立つマンションやホテルは、「海側」と「陸側」の住戸を持つものです。 しかしこの立地においては、敢えてすべての住戸を海向きにする設計にこだわりました。 敷地内の最も海に面した、丘の斜面のすぐ手前に建物を配置。 しかも南北で段差をつけ、全戸に海向きの開口部を持たせることに成功しました。
敷地付近の既存林を、波のうねりや海に突き出た小島になぞらえ、海上を静かに進む豪華客船をイメージさせる外観に仕上げました。 ドライブをしながら丘の上に浮かぶ自邸を眺めるのも楽しみなひとときになるでしょう。 外観タイルは、白を貴重としつつ、夕焼けに美しく映える微妙な色合いを追求。 目地はやや粗めの砂目地にして風合いを出しました。この邸宅のために開発したオリジナル仕様です。
エントランスを入った後、最初に通るのは、海をテーマにデザインされたくつろぎの空間です。 都会の喧騒の名残りとドライブの疲れを心地よく癒し、安らいだ気持ちで邸宅へと向っていただくための心遣いを、この空間に盛り込みました。 波打った天井に散在する照明を兼ねたオブジェは、雲間に漂うカモメのように見えます。 静寂な「大人の棲み家」へ至る空間を、海中を思わせるアートで象徴。光の演出により幻想的な雰囲気を醸し出しています。